小児外科・新生児科の診療について
当院では包茎、鼠径ヘルニア、臍ヘルニア(でべそ)、湿疹、便秘などの診断や内科的治療を行います。
「こどもはおとなのミニチュアではない」これは小児外科を説明するときによく使われる言葉です。
成人と違い、こども特有の体の性質や特徴がありますので、それを良く理解したうえで様々な治療を行う必要があります。
当院では小児外科、新生児科勤務の経験を持つ院長が、外科疾患の診断や術後のフォローに対しても適切な管理をさせていただきます。
対象疾患について
▼ 湿疹
生まれたばかりの赤ちゃんは、お母さんのホルモンの影響で脂性(あぶらしょう)のため、生後1~2ヵ月までは乳児湿疹ができやすい状態にありますが、生後3か月以降母体ホルモンの影響が取れてくると、乾燥肌になってかゆみを伴う湿疹ができやすくなります。場合によってはミルクアレルギーに伴う湿疹やアトピー性皮膚炎の可能性もあります。
当院では、赤ちゃんの月齢や肌の状態から、的確な診断と治療(ローション、軟膏、飲み薬など)、スキンケア等について分かりやすく解説いたします。
▼ 便秘
便秘症の定義は、「3日以上排便がないか、3日未満であっても排便によって出血したり痛がったりする場合は便秘症という」ことになります。便秘は、りっぱな病気です!便秘を放っておくと、腸が長くなったり拡張したりして大腸に便が溜まりやすくなって、水分が吸収されて便が硬くなります。そうなると、子どもさんは肛門からの出血や痛みで、便意をもよおしても排便を我慢してしまいます。いわゆる便秘の悪循環です。
当院では、便秘症のお子さんに対して、その原因から的確な治療法(飲み薬や浣腸、座薬)や、日常の生活指導にいたるまで分かりやすく解説いたします。
▼ 鼠径ヘルニア
お腹の中にある臓器が鼠径部(股のつけ根)から脱出し、やわらかい腫瘤(しゅりゅう)が現われる病気で、脱腸とも呼ばれています。生まれつき腹膜(ふくまく)の一部が袋状の突起であるヘルニア嚢として皮膚の下に飛び出すために起こります。
この突起は、胎児(たいじ)の精巣(せいそう)が腹腔(ふくくう)から陰嚢の中に降りてくるときに腹膜を引っ張るためにできます。ふつうは生まれる前に閉じてしまうのですが、たまたま閉じずに突起として残った場合にヘルニアになります。
▼ 停留精巣
停留精巣とは陰嚢(おちんちんの下のふくろ)の中に精巣(=睾丸)が入ってない状態で、男の子の先天的な異常の中で頻度の高い疾患です。予定日で生まれた男の子100人のうち3人ぐらいに認められます。早産のお子さんでは頻度は高くなります。生後6ヶ月までは自然に精巣が降りてくる場合があり、1歳のお誕生日では100人に1人ぐらいの頻度で認めます。それ以降は自然下降がないので頻度は変わりません。6ヶ月をこえても精巣を陰嚢内に触れない場合は手術を考える必要があります。
▼ 臍ヘルニア
生後間もなくへその緒が取れた後に、おへそがとびだしてくる状態を臍(さい)ヘルニアと呼びます。生まれて間もない時期にはまだおへその真下の筋肉が完全に閉じていないために、泣いたりいきんだりしてお腹に圧力が加わった時に、筋肉のすきまから腸が飛び出してきて、おへそのとびだし「でべそ」の状態となるわけです。このヘルニアは、5~10人に1人の割合でみられ、生後3ヶ月ころまで大きくなり、ひどくなる場合は直径が3cm以上にもなることがあります。しかし、ほとんどのヘルニアはおなかの筋肉が発育してくる1歳頃までに自然に治ります。ただ、1~2歳を越えてもヘルニアが残っている場合や、ヘルニアは治ったけれども皮膚がゆるんでしまってへそが飛び出したままになっている時には、手術が必要になることがあります。
▼ 包茎
包茎とはおちんちんの先端の包皮口が狭いために包皮をむいて亀頭を完全に露出できない状態をいいます。生まれてきた男の赤ちゃんは包茎の状態が正常です。この時期は包皮と亀頭表面とが完全には分離しないでくっついていますが、成長するにつれて包皮と亀頭の癒着が取れ、亀頭がむき出しの状態になります。成長しても包皮がむけないおそれがあったり、亀頭包皮炎、尿路感染症などを繰り返す場合にかぎり手術が必要になりますが、最近のステロイド軟膏塗布により、ほとんどの包茎は手術不要となっています。
これらの疾患を疑うときは、適切な診断とその対処法を指導いたします。手術が必要なときは、適切な紹介先をご案内し、迅速に紹介状を作成いたしま す。